有島記念館 カトウタツヤ展-1500CC-
2017/05/07
「カトウタツヤ展 1500CC」を開催中です。
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期間:2017/3/18~7/14 9:00~17:00(入場は16:30まで)
※4月までは月曜休館(月曜が休日の場合は翌日)5月からは無休
場所:ニセコ町・有島記念館 〒048-1531北海道虻田郡ニセコ町字有島57番地
TEL (0136)44-3245
有島記念館による「有島記念館若手作家展」の6回目の企画としてお話いただきました。
http://www.town.niseko.lg.jp/goannai/kato.html
本展では、カトウタツヤの大学時代からこれまでの作品の展示と、私の作品のベースとなるドローイングノートの作品展示を中心とした展示で、そのほか変わり種として、作品としてのTシャツも販売展示しております。
期間中ニセコにお立ち寄りの際は、有島記念館で「カトウタツヤ展 1500CC」へも足をお運びいただければと思います。
展覧会の作品について
さて、今回の展覧会は作家カトウタツヤの、大学から現在に至る絵画作品の変遷を見ていただける作品群となっています。
現在生きていて、しかもまだ若い作家(私の事です)の、作品を初期から見ていただくことで、「ひとりの作家でもこんなに作風って移り変わっていくんだなぁ」というところを感じていただくと、面白いかと思います。
そして、今後どういう風に変わっていくかを想像していただき、またどこかでカトウタツヤの作品を観た際にはぜひその答え合わせをしてくれたらと思います。
作品の変わっていく様をまさにライブで見られるのが同じ時代を生きることのだいご味かとも思いますので。
さらにこれをきっかけに、より多くの同じ時代に生きる作家の作品や文化に興味を持っていただければ幸いです。
カトウタツヤ 2017年 3月 19日 0時58分
1500CC
およそ1.5リットルのペットボトル1本分。僕たちが見ている世界はすべてこのサイズの中でしか動きません。
宇宙がどれほど大きくても、僕たちにとって、約1500CC以上に大きくなりはしません。
だから仮定することで、この大きくて小さい世界を理解しようとします。
すべては仮定された世界です。僕は世界を理解しません。
僕は1500CC以内の世界を作ります。
カトウタツヤ 2004年 9月
1500CCとは
こういうのは種明かしをしないのが粋かとも思いましたが、あえて「1500CCって何さ?」というところの回答を書いてみたいとおもいます。
このテキストに書かれる1500CCとは、ずばり人の脳の重さを表しています。
脳の質量についてWikipediaによると
成人では、男性は1350〜1500グラム、女性では1200〜1250グラムであり、これは体重の約2%にあたる。
とあります。
個人差はあるものの、一番イメージ的にわかりやすい1500CCを採用しました。
簡潔に言ってしまうと、人間どんなに壮大なことをできるといっても、人間はペットボトルの容量から脱することはできない。というようなことを書いています。
(映画のマトリックスのイメージと言えばわかりやすいかな?)
実はこのテキスト大学3年生頃に書いたもので、いまだに気に入っているテキストで、コンセプトでもあります。
ちょうど養老孟司の唯脳論を読んだ後だったので、その影響を受けたのは明白なのですが…。
そして同じ時期に「人体の不思議展」という人体標本をそのまま展示するという展覧会が、日本中を巡回していたこともふと思い出しました。
人の実体たる心とは、そして我々が見ている世界とはいったいどこにあるのでしょうね。
そんな曖昧な世界を受けて、生み出された(再生産)された私(皆さん)の作品とは?