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瓶のデッサン:三日間(三時間)

      2017/01/04

今回はビンをデッサンします。
先日、これからデッサンをはじめてみたいという方と、お話しした際、デッサンはどれくらいの時間で描くのか、また一日でいっぺんに描かないといけないのかを聞かれました。
おそらく、普段お仕事をしながらでもできるのかを心配されていたのかと思いますが、一枚のデッサンを描き上げるまでにかかる時間はモチーフや、また描く人によって様々で、一概には言えませんが、決して一気に一日で描き終わらないといけないものではありません。

今回は、一つのモチーフを3日間かけて描いていきます。また、1日当たり1時間としています。
ですので、制作時間は計3時間となります。(時間が来たら強制的に終了としましたが、皆さんは自分のペースで進めてくださいね。)

道具紹介

まず、今回使用した道具の紹介をします。

■モチーフ

先にも書きましたが、今回のモチーフはビンです。
ワインの入っていた小瓶を使います。
中身が入っていてもよいのですが、これはすでに空になったものです。

それでは始めていきましょう。

一日目(一時間)

まずは、大まかに形をとっていきます。
最初は細部ではなく、できるだけ大きく比率を測ります。

一般的に描き始めの段階では2Bや3Bなどの柔らかめの鉛筆を使い、筆圧は弱めで初めます。
このように、紙を傷めずに描くことで、描き直しがしやすくなります(筆圧を強くして描くと紙にその跡がついてしまい、後で修正のため、練ゴムで消そうとしても跡が残ってしまいます)。

今回はビンを中央に一つだけという単純な構図です。
横1に対して縦はいくつあるかを測ります。
比率の測り方
また、形を測る際はできるだけ視点がずれないように注意しましょう。
目の高さが変わるだけで、思っているよりも比率が変わっていることがありますので。 下の写真では、ビンの口の太さもとっています。

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次にビンの形が大きく変化している点を測り、その点を結び大体のアウトラインを描き出します。

この形の変化する点の割り出し方も、ビンの縦横比を出したやり方同様に、「ビンの横幅1に対していくつ分あるかな?」という感じで探っていきます。

bottle1-2

形を大体とり終わったら、明暗をつけていきましょう。
ここでもまだ2Bしか使っていません。線を見るとわかるかと思いますが、鉛筆は寝かせて、描いています。
まだ描き始めの段階ですので、筆圧もまだ弱いです。この段階ならまだ形の修正も可能です。
明暗をとらえる際は、目を細めて対象を見ることで、大きく明暗をとらえます。

また、背景や床面も描きはじめています。

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■二日目(二時間)

さて、二日目です。

ひとまず、最初の段階は完了したものとして、これから描きこみに進みましょう。

ここからだんだん筆圧が高くなってきます。
透過しているビンの向こう側もだんだんと見えてきました。
今度はガラスの手前側に反射し映り込んでいる光も合わせて描いていきます。

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▼ラベルの明かりが均質になってきたので、練ゴムを平たくつぶし、なでるようにして明るくしています。
一度明るいところと影のところのコントラストを上げることで、光の当たり方を明確にしています。

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▼ラベルの模様が少し描き起こされてきました。

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■三日目(三時間)

ラスト。三日目です。

後は描きこむことに注力していきます。

この辺りまで来たら筆圧も高めで、また、鉛筆もHや3Hなど固めのものでガリガリと描いていきます。
ちなみに全体を通して、常に鉛筆は先を尖らせておきましょう。
丸くなってきたらその都度、カッターで先を尖らせながら描いていくとよいでしょう。そのほうがシャープな仕上がりになります。

bottle1-10

完成(というか時間切れ)

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これで3日間・計3時間のデッサンが完了です。

全体としては、ラベル、キャップ、ガラスともにまだまだ未完成という感じですが、描画の流れを少しはつかめたでしょうか。

出来はともかく、このように日を分けても、時間をかけて制作していくことは可能です。ぜひ皆さんも挑戦してみてくださいね。

 - デッサンを描いてみよう, 初心者のためのデッサン描き方講座