ワイングラスのデッサン(大体4時間)
2017/01/04
さて今回はグラスを描いてみます。
素材はガラス製ですので、当然透明で向こう側が透けて見える素材です。 今回は、透明感を感じられる描写に気を使い描いてみます。
■道具
使用した道具を紹介します。
■モチーフ
それではモチーフ写真。ドン。
家にあったワイングラスで、シンプルに中身は空です。また、背景も白い用紙を敷いて描いてみます。
こういったガラス製品はほかのモチーフと組み合わせ次第で色々な表情が出て面白いモチーフの一つですが、描くのが難しいモチーフでもあります。
■形をとる1
さあ、それでは開始しましょう。
まず、モチーフの全体の形をとっていきます。
この四角をグラスのおおもとの形とします。グラスの上下と左右の一番出っ張っているところで比率を出します。
スケール感がわかりやすいかと思い、四角い枠で軽くマーキングしましたが、これは最終的には消してしまう不要な線となります。
■形をとる~描きこみへ
次は、さらに細部の形を見ていきます。
写真ではちょっと一足飛びになってしまいましたが、大まかには、グラスの水をためる部分、柄の部分、足の部分とそれらの中心がどこかというところを意識して形をとっていきました。 そのほかに、上記写真ではすでに、背景とグラスの一部に鉛筆で塗り始めていますが、これは、この段階ですでにグラスと背景の関係性を考えながら描いているためです。
ここでいう関係性とは、例えば、「背景の明るさとモチーフの明るさを比べた際にどちらが明るいか?」とか、「後ろの壁とモチーフとの距離は?」とかを指しています(もっと言うとその場所の温度だとか自然光なのか蛍光灯の明かりなのか。また、モチーフが人の場合は、その人がどんな人で、一体どんな気持ちなのかといったことまで、描く人のテーマによってはどこまでも広がる問題でもあります)。
ガラスのような透明なものが、なぜ透明に感じるかというと、ガラス自体ではなくその向こう側が見えるからですよね。なので、そのガラスそのものというより、その向こう側がガラスを通してどのように見えているかを描くことで透明感を表すことができるのです。なので、ガラスの周囲の状況をきちん把握することが重要になるわけです。
■描きこみ
さあ、形もとり、徐々に描きこみ作業も始まりました。 後は、ガラスの透明感を意識しながら完成までスパートです。
▲本格的にグラスの描きこみを始めます。
▲ここで見てほしいのは、後ろの壁に落ちる影を描いている点です。そして、その陰の中にも明暗の強いコントラストがあります。この明暗のある影もガラスらしさを出すポイントの一つです。
ちなみにこの段階まではまだ2Bの柔らかい鉛筆を使っています。
▲ここら辺からH、3H、5Hの固い鉛筆を中心に描画しています。
▲ハイライトを入れます。 ハイライトは、練消しゴムの先を指でつぶして細くなったところでスッと線を引くように消して表現しますが、今回のようにある程度描きこんだ状態を練消しゴムで消そうとしても綺麗に消せない場合があります。そんな時は消しゴムの角や、角がない場合はカッターで消しゴムの先を切って鋭い角を作り、そこで消します。
■完成
今回、時間を測っていなかったのですが、大体4時間くらいで制作しました。
いかがでしょうか。ガラスの透明感、少しは出てるでしょうか。
ガラスを通して見える向こう側の景色と、ガラス自体に反射する光を一体として描く必要があるため、難しいモチーフですが、完成した時に、ガラスらしく描けた喜びはひとしおです。
ぜひ、挑戦してほしいデッサンの一つです。
それでは。