ちょっと複雑な形を描いてみよう(バラの花デッサン)
2017/01/04
今回はちょっと複雑な形をしたものを描いてみましょう。

というわけで、バラの花を描きながら、複雑な形をしたものを描いていく過程を見ていきましょう。
なぜバラの花かというと、花弁が適度に複雑で、また、その花弁が比較的大きいので、形をとらえやすいということが一つ。
カトウは、大学では美術学部油絵学科というところを卒業したのですが、油絵では、モチーフとしてバラの花がよく描かれるので、実はなじみのある花だということがもう一つ(描くことはほとんどなかったですけどね・・・w)。
そして、バラはこのサイト以外でも、いろんな本や解説文で扱われています。
皆さんが後で自分で調べながら描く場合も、参考資料が多いだろう、ということが最後の理由の一つ。
それでは、さっそく始めていきましょう。
道具紹介
■モチーフ
●バラ(造花)
今回のモチーフのバラですが、生花ではなく造花を使ってます。100均で買いました。
本当はやはり生花使った方がよいのはもちろんです。
しかし、普通の人は一度に数時間という時間を捻出するのはなかなか難しい状況がありますよね。そんな時、造花のような作り物をいくつか用意しておくと便利ですよ。
バラの花の色ですが、練習としては描く場合は、色の濃いものは避けた方がよいでしょう。
パステルカラーのような物の方が、明暗が観察しやすいです。つまりは描きやすいです。
■1.画面の入り方を考える(構図を考える)
今回は、バラの花一輪なのでほぼ中央に配置することにします。
大きさは、モチーフに比べてあまりに大きいと難しいですので、用紙サイズ一杯にはしないようにします。
大きいとその分だけ、同じ面積に描き込まないといけない情報量が多くなりますので、モチーフより絵のサイズが大き過ぎると、描くのがより難しくなってしまいます。
■2.形をとる(大きな塊としてとらえる)
形をとっていきましょう。
さあ、ここからが今回のテーマ「ちょっと複雑な形を描いてみよう」の本番ですよ。
バラの花は、ロールティッシュのような、大きな塊とは違い、それぞれの花びらが凸凹となって見えますね。
この凸凹した形をどうやってとらえたらよいでしょう。
どんなモチーフでもそうなのですが、まずは出っ張った部分の位置を図ります。
そして、ポイントとなると思った、各突起部分を薄く線でつなぎ大きな塊にしていきます。
このポイントの取り方は、「形の取り方」の記事でも紹介したように起点となる形をもとに、何等分になるかを鉛筆などで測りながら、決めていきます。
この時注意したいのは、まだ細部を描き始めないことです。
特に初心者の場合によくいるのですが、いきなり細部を描きはじめ、大体すべての要素のアウトラインを描いたらそれで完成!もう描けません!という人。
もうこうなると一歩動けなくなってしまうようです。
それを避けるためにも、まずこの段階では大きく形をとって行きましょう。

■3.形をとる(徐々に細かく)
大きく形を取れたら、徐々に形を細かくとっていきます。
バラの花びらは大振りなので、各パーツ別に、これまた大きくざっくりととっていきます。
このとき、できる人は柔らかい鉛筆の腹で、軽く影をつけ始めてもよいでしょう。
なれると、この影が形をとる際の目印にもなります。
■4.描きこみ
「3.形をとる(徐々に細かく)」の工程で、すでに影をつけ始めている場合、描きこみの工程との線引きは曖昧になるのですが、形をとり影をつけ、黒くなりすぎたら練ゴムで調整を繰り返すことで完成度が上がっていきます。
花びらの位置が確定したら、今まで軽めにつけていた影も鉛筆の先で筆圧を高めて、ガリガリと描いていきます。
■完成
3時間程度ですので、まだまだ描きこみの要素はありますが、ひとまづこれで完成とします。
ぜひ皆さんも、手始めにバラの花(100均の造花でOK)を。そして、自分 自分の限界を超えてどこまで、完成度を上げられるか、そのために描きつづけられるか挑戦してもらいたいなぁと思っています。