絵のネタってどこにあるの?普段の生活の中にあります
2016/05/05
こんにちはカトウタツヤです。
私が展覧会で作品を展示するとき、よく聞かれる質問があります。それは
「どうやったらこんな絵を思いつくんですか?」
です。
まぁ当然、絵に限らず、何を描こう、何をつくろうというのは最初にクリアしないといけない、ある意味初歩的な問題ではありますが、最大の問題でもあります。
先の質問の答えとして、カトウはどうやって絵を思いついているかを紹介します。
まず、結論から言うと見出しに書いた通り
「普段の生活の中にあります」
っていうか、そこにしかありません。
ドラマチックな非日常はいらない
そもそも僕は、引きこもり体質かつ、引込み思案かつ、趣味料理かつ、主な外出理由は仕事と本屋さん及び画材屋さんへ買い出し。と、悲しくなるほどインドア派ですので、はっきり言って一般人の平均より外に出ていない自信があります(そんな自信いらないけど…)。
そんな僕でも、ネタ切れにならず、ずっと作品をつくり続けています。
通学路、通勤路に落ちてるアイデアを拾えるか
そんな僕なので、絵のネタを拾うチャンスはごく限られています。
では、いつ絵のネタをストックするかというと、誰でも経験のある、通学や通勤時に通るお定まりの徒歩コースです。
そんな道、特に変化もないですしある意味退屈な道ですが、逆にそこにこそ、宝石のようなアイデアがあるものです。
案外ドラマチックなんです。あなたの日常は
そもそも見慣れた道を歩いていても、基本的に退屈なものです。
しかし、逆に飽きるほど熟知した道。ちょっとした変化にも気づきやすいということでもあります。
例えば春になれば、今までなかった花も咲くでしょう。夏になれば、まぶしい光でコンクリートに落ちる白と黒の影が作る劇的なコントラストがうまれます。そして冬になり雪が降れば、普段コンクリートでグレーだった道が白くまぶしい世界に変化します。
季節だけではなく、天候やその日の気分によっても、あなたの日常が見せてくれる風景は、ガラッと変わるんです。
正面や地面だけでなくちょっと上を仰ぎ見てみましょう。普段はただの送電線が、風景を規則的にかつ脈略なくぶった切る黒いラインとなり、一見して具象画のような空が抽象画のような新たなグラフィックへと変化します。
もし、あなたが普段の道に感動する何かを見つけられたとしましょう。
毎日歩いているあなたでなければ気づかないということは、それだけですごい独創的な視点を得られたということです。
「気づき」を見つけたらドローイングφ(..)
気づいただけでは「スゲー!綺麗だな~」で終わってしまいます。
最後に心に引っかかったネタのタネをアイデアにしましょう。
ここからは実は結構高等テクだと思います。やればだれでもできるけど自覚的に実行するのは結構大変。
まず、自分は何に感動したのかを考えます。自分が何をよいと思うのかについて、自覚的になるということです。
よくわからない場合は、小学校のころを思い出して、自分が感動した風景について、何がそんなに良かったのか、作文を書くとよいです。大変有効です。
そして明確になった自分の感動が、最もよく表現できるまで、10枚でも20枚でもドローイングをして、最高の1枚ができるまで描きつづけます。
どうです?できましたか?そのドローイングと似たような作品、どこかで見たことありますか?
おそらくそれは、あなただけのオリジナルの表現になっているのではないでしょうか。
特に変化のない、ほぼ毎日通るその道にはきっと・・・いや絶対に、あなただけが気づけるアイデアのネタのタネがあります。
見飽きた風景を、もっとキョロキョロしてみることをお勧めします。
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